2010/11/01

はじめて女子教育論を書きました。

広島大学のCICEの紀要(第13巻第1号、2010年4月)に、「初等義務教育制度の確
立と女子の就学奨励---日本の経験」という論文を書きました。

もちろん、これは開発途上国における女子教育の問題と振興策を念頭において、かつての日本の経験を振り返ってみようという意図で書いたものです。 日本も明治時代の前半期くらいまで、女子の就学率は30%前後という状況で、ジェンダー格差も男子の半分程度という時期がかなり長い間続いていました。こうした女子就学の低迷状況にはどのような社会背景があったのか。問題に対処するために、わが国の政府と社会はどのような行動を採ったのかを探ってみました。今回扱ったキータームの一つは「子守学校」で、まさに「おしん」の世界でした。私自身、途上国のものも含めて女子教育論を書いたのは人生でも初めてのことでした。

ちなみに、本論は、CICEの紀要でシリーズで書いてきた「日本の経験」ものの第4弾というこ
とになります。たぶん、CICEのホームページでも、閲覧が可能になると思いますので、フェミニズムとはほとんど無縁のオジさんの書いた女子教育論に関心があれば、読んでみて下さい。

斉藤 泰雄 (国立教育政策研究所)