【新刊案内】『ノンフォーマル教育: リアルな生活に根ざす教育へ』(新評論)のご案内
「教育」とは、世界中で同じものを意味するのか。学校 の勉強が役に立たないと感じてしまうのは、なぜか。 世界各地には、「ノンフォーマル教育」 と呼ばれる教育実践が数多く存在する。 その形態も内容も多種多様で、共通なのは「 フォーマルでないこと」だけのようである。
本書では、 多様なノンフォーマル教育の全体像を捉えるための枠組みを提示し たうえで、 世界各地で実践されている様々なノンフォーマル教育を、 それぞれの地域の歴史や社会事情などもふまえて幅広く紹介してい ます。執筆者は、比較教育、異文化間教育、教育開発、教育史、 生涯学習・ 成人教育といった領域で国内外のノンフォーマル教育の事例を調査 してきた若手研究者と、 国際教育協力の現場でノンフォーマル教育のプロジェクトに携わっ てきた実務家たちです。
ノンフォーマル教育について考えるということは、 教育のあり方を再考することでもあります。本書は、 教育という営みの幅広さと奥深さを示す様々な事例を通じて既存の 教育観を問い直し、将来に向けて「別様の教育」 の可能性を模索する試みとなっています。
【目次】
まえがき
第1章
教育と学校
1.教育とは何を指しているのか
2.国民教育制度としての近代学校
3.さまざまな教育のかたち
第2章
ノンフォーマル教育とは何か
1.近代学校とは異なる教育
2.ノンフォーマル教育の二つの意味
3.ノンフォーマル教育はどのように論じられてきたか
4.ノンフォーマル教育を把握するための枠組み
第3章
学校教育制度の課題とノンフォーマル教育
1.近代学校教育への批判
2.オルタナティブ教育の構想
3.非正規の学校
第4章
生涯学習を支えるノンフォーマル教育
1.成人教育の国際的推進
2.大人が学ぶ場、子どもが育つ場
3.生涯学習の市場化と国際基準化
第5章
教育開発の課題とノンフォーマル教育
1.教育開発と国際援助
2.初等教育の課題
3.成人識字教育から地域づくりへ
4.地域の文化に根ざした教育をつくる
第6章
多文化社会の課題とノンフォーマル教育
1.多文化社会における教育の課題
2.異文化を生きる人々への学習支援
3.アイデンティティ形成の資源を獲得する
第7章
社会運動と結び付くノンフォーマル教育
1.社会運動と教育
2.対抗的な教育実践
3.社会変革を目指す民衆教育
4.労働運動と労働者教育
5.「価値の制度化」を食い止める
第8章
持続可能な社会のためのノンフォーマル教育
1.これからの社会に求められる教育
2.「ESDの10年」と実践
3.学校におけるノンフォーマルなESD
4.柔軟な教育や学習を捉える
第9章
ノンフォーマル教育研究へのアプローチ
1.ノンフォーマル教育を考えるための教育理論
2.非正規学校に関する公式文書の分析
3.コミュニティ研究とフィールド調査
あとがき
《編者》
丸山英樹 国立教育政策研究所国際研究・協力部総括研究官。博士(教育学) 。専門は比較教育、教育社会学。
太田美幸 一橋大学大学院社会学研究科准教授。博士(社会学)。 専門は教育社会学、成人教育、比較発達社会史。
《執筆者》
浅井孝司 岡山市ESD世界会議推進局長
江草由佳 国立教育政策研究所教育研究情報センター総括研究官。博士( 情報学)
呉永鎬 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程・ 日本学術振興会特別研究員
大橋知穂 国際協力機構(JICA) パキスタン国ノンフォーマル教育推進プロジェクト、識字・ ノンフォーマル教育専門家
大安喜一 ユネスコ・ダッカ事務所教育担当官
岡村美由規 広島大学大学院教育学研究科特任助教
奥川浩士 株式会社コーエイ総合研究所 教育・産業人材開発室課長
小原優貴 日本学術振興会特別研究員(PD)。博士(教育学)
佐藤裕紀 早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程
新庄あいみ 大阪大学国際教育交流センター非常勤講師。博士(言語文化学)
田村梨花 上智大学外国語学部ポルトガル語学科准教授
藤田明香 博士(社会学)。
三浦綾希子 日本女子大学学術研究員。博士(社会学)
Kersti Sogel エストニア共和国の環境教育NGO職員
2013年12月16日発売/定価(2,200円+ 税)/四六判/246頁/新評論
《出版社情報・問い合わせ先》
(株)新評論
〒169-0051
東京都 新宿区 西早稲田3-16-28
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以上。